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食事が原因かもしれない、子どもの「心の荒れ」

いま、子供の心に何が起きている?

心のコントロールを失って、凶暴な振る舞いに出る子どもたち。その食生活には、不思議なほど明確な共通項があります。食事が心を支配する……そのメカニズムに迫ります。

何かにつけて「むかつく」と口にする子。ほんの些細なことで、すぐにキレる子。学校で家庭で暴力をふるい、果てはナイフで人を傷つけるという行為でしか自分を表現できない子……。いま、子どもたちの心が荒れているといわれています。親や教師のちょっとした言葉や行為で激昂し、自分の感情のコントロールを失ってしまう子どもの多いこと。なんの問題もないように見える子どもでさえ、ちょっとしたきっかけで、歯止めがきかずに暴走する可能性があると指摘する声もあります。

いったい、何が子供たちの心を荒廃させているのでしょうか。時代背景に原因を求める人もいます。父子関係、母子関係が原因という人もいます。社会が、教育が、家庭が、複雑に絡み合ったところから生まれた「時代の鬼っ子」と断罪してしまうこともできるかもしれません。

しかし、こういった現象に、食事が関係しているという仮説が成り立つと指摘する人もいます。食事は心身の健康を作る大きな柱です。食事によって作られるのは、筋肉や骨ばかりではありません。心を支える脳や神経、ホルモンなども、すべて食事によって作られ、機能しているのです。

たんぱく質も、糖質も、脂質も必要です。ビタミンやミネラルなどの微量栄養素も、もちろん過不足なく必要です。子どもたちをとりまく現代の食生活のどこかに、これらの栄養素を過剰にさせたり、不足させたりする要因があるのではないでしょうか。

問題行動の背景に共通する食事傾向

『食原性症候群』を著した大沢博氏によると、犯罪を犯して少年院に入っている子どもたちの入所前の食事には、一定の傾向が認められます。大沢氏が聞き取り調査をした彼らの食事内容は、以下の通りです。

まず、朝食はほとんどの子が食べていません。昼食は、給食を除けばカップラーメン、甘い菓子パン、ハンバーガーなど。そして、間食として、清涼飲料や炭酸飲料、アイスクリーム、スナック菓子を大量に飲んだり食べたりしています。夕食は、焼き肉、ハンバーグなどのメニューが多く、野菜はほとんど食べていません。

問題なのは、これらの食事傾向が、非行少年と呼ばれる子どもたちだけに限ったことではないということです。非行を犯した子どもたちは、このような食事を、それこそ毎日のように続けていたというだけの違いで、多かれ少なかれ、ほかの子どもたちも、こうした食環境の中にあると言っても過言ではありません。

ちなみに、小中学生に「好きな食べ物は何?」というアンケートをとると、カレーライス、ハンバーガー、スパゲッティ、ラーメン、焼き肉、ジュース、アイスクリーム……といった答えが返ってきます。先の、非行を犯した少年たちの食生活と大差ありません。

これらの食事に共通していることは、肉や糖質(ご飯やパン、めん類、砂糖)が多く、野菜が極端に少ないということです。栄養素でいうとカルシウムやビタミンB1が不足していますし、砂糖のとりすぎが目立ちます。そして、これらの傾向には、いずれも精神に大きな影響を及ぼすという共通項があります。

「カルシウムが不足するとイライラする」という言葉を聞いたことがある人も多いでしょう。カルシウムは骨を作るミネラルという面だけで論じられがちですが、実はもう一つの重要な働きは、精神の安定を保つということです。

カルシウムイオンには脳神経細胞の興奮性を抑制する作用があり、脳神経細胞内に十分なカルシウムがあれば、少しぐらいのことでは精神的に動揺することはありません。カルシウムが不足すると、ちょっとした刺激にも過敏になり、精神的な動揺が激しくなり、感情の起伏が大きくなります。

日本人は大人も含めてカルシウムの摂取量が不足していますが、それに加えてカルシウムの吸収を阻害する要素が多いことも問題です。それはリンの過剰摂取です。リンは、ごくふつうの食品に含まれるミネラルですが、問題なのはハム、ソーセージ、かまぼこ、スナックめんなどに結着剤、品質改良剤として添加されているリン酸塩。これらは子どもたちの好物ですが、カルシウム量に比べてリンの比率が驚くほど高い食品なのです。

砂糖の過剰摂取でもたらされる低血糖

飽食の時代にあって、脚気(かっけ)が増えているという報告があります。脚気は、ビタミンB1の不足によって起きるのですが、偏食をしなければ極端に不足することはありません。ところが、ある食品を大量にとると、ビタミンB1が大量に消費されてしまうのです。脚気が、清涼飲料を一日に1リットルも2リットルも飲む若い世代に多いということを記せば、この「ある食品」というのが何であるか、おわかりいただけると思います。そう、砂糖です。

ビタミンB1は糖質の代謝を円滑に行うために欠かせないビタミンです。ご飯やパン、めん類などをエネルギーに変え、体はもちろん、脳の中枢神経が円滑に働くために役立っています。ところが、砂糖を大量にとると代謝のためにビタミンB1が動員され、一時的に脳を安定化させますが、インシュリンによってすぐに低血糖状態に変わってしまいますので、B1が不足して脳へ栄養を送り届けることができなくなります。これが、精神的な不安定やイライラなどを引き起こしてしまうのです。B1が精神ビタミンと呼ばれる理由は、ここにあります。

子供の味覚異常も食事が原因

転んだだけで骨折をする、視力が落ちる、姿勢が悪いなど、子どもたちに見られる体のおかしさは、食生活の影響なしには語れません。味覚異常も、現代の子どもたちによく見られるおかしさの一つ。たとえば、寿司を食べながら甘いジュースを飲む子、ありとあらゆる料理にマヨネーズをかける子などに驚いたのは、すでに過去の話で、いまではごく普通に見られる光景です。

こうした食事感覚は病的な味覚異常とはいえませんが、亜鉛が不足しやすい現代の食生活の影響ではないかと指摘する人もいます。亜鉛は細胞の新陳代謝に欠かせないミネラルで、不足すると舌の突起(味蕾)の新陳代謝を不活発にするなどの作用をもたらします。これが、味覚異常につながっているのではないかというわけです。

ごくふつうの食生活では亜鉛不足は起きませんが、インスタント食品や加工肉などに添加されているリン酸塩は、亜鉛の吸収を妨げます。つまり、こういう食事が好きな子どもほど、亜鉛が欠乏しやすいことになります。亜鉛が不足すると軽い鬱状態になることもわかっており、アメリカでは拒食症との関連の研究も進められています。

いま、見直したい穀菜食

登校拒否児や凶暴な子供が、食事の改善によって健全な状態になったという報告は、枚挙にいとまがありません。この機会に、食生活を考え直してみてはいかがでしょうか。

まず、最初に取り組みたいのは、砂糖(とくにビタミンやミネラルをほとんど含まない白砂糖)の摂取を減らすことです。甘い清涼飲料の代わりに麦茶や牛乳、水を飲むように指導し、甘いお菓子の買い置きもやめましょう。砂糖の摂取が減るだけで、低血糖による精神の不安定が解消されますし、砂糖の脱カルシウム現象やビタミンB1の消費を防いで、カルシウムやビタミンB1不足によるイライラも解消される期待が持てます。

次に実行したいのが、インスタント食品やファストフード、加工肉などをできるだけ減らすことです。リン酸塩の摂取を少なくなれば、カルシウムや亜鉛の損失もわずかですみます。

ここで、もう一度見直していただきたいのが、主食です。主食は、米、パン、めん類などですが、現在流通しているものの大半は精白・精製してある製品です。これらは微量栄養素がほとんど含まれないうえに消化が早いので、血糖値の急激な上昇を招いて、結果的にはアドレナリンの分泌による精神不安をもたらすことにもつながります。玄米や三分づき米、あるいは全粒粉のパンやめん類に切り替え、芋類も食卓にのせる回数を増やしましょう。

これに加えて、不足しがちな野菜類、とくに微量栄養素が豊富な根野菜をメニューに取り入れれば、ほぼ万全。食事が心を支配することもあるということを、ぜひ心にとめて置いてください。

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